2020年3月1日日曜日

備忘録参 - Waves PRS SuperModels



どうも、おっぱいの事ばかり考えているリイムです。
っていうくだりはもういいですね……という事で今日はお茶濁し。

今回は以前ちょっと名前が出たWavesのPRS SuperModelsに関する備忘録という事で。
このプラグインは3種類のアンプシミュがセットになっているんですが、私はほぼArchonしか使わないので他2種類に関しては今回は触れません。まぁ操作系統は変わらないので問題はないかと思います。

比較対象として同じく最近使用している「Bias FX2」と、つい先日リリースされたNeural DSP「Granophyre」のテスト音源&所感をおまけで書いておきます。



とりあえず先に音源だけ並べておきます。分かりやすいようにDIは統一、IRもデフォではなく手持ちの同一ファイルを使っています。歪ませ具合はいつも通りほどほどで。各種パラメーターに関しては適当。

Waves PRS Archon


Positive Grid - Bias FX2


Neural DSP - Omega Ampworks Granophyre


Waves PRS Archon



実在するArchon 50のオフィシャルなシミュレーターという事で、ある程度実機に似たサウンドにはっています。
Wavesというブランドにしては国内で利用している方は少ないであろうアンプシミュだと思いますが、多分その理由としてはググっても情報が少ないという事だと思います。

先日書いた通り積極的にお勧めしようとは思いませんし(理由は後述)、分かり辛い点のあるプラグインなのですが、魅力的な部分もそこそこあるので個人的な覚え書きとしても残しておこうと思います。あくまで所感ですので割と適当であることはご了承を。数値に対しての詳細な挙動を調べるほどの根気は私にはありませんので……

Archonの特徴
現在メインで使用しているワケですが、特徴としてはミドル以下がとってもおいしいサウンドであるという事でしょう。
聴いてお分かりになるでしょうが、昨今のメタルサウンドとは大分かけ離れており、MIDやBASSを下げてもこの膨張感は残ります。私はこのサウンドが結構好みで弾いていて気持ちいいので最近はメインに起用していますが、基本的にパキっとした今風のサウンドにはできないと思った方がいいです。パワーメタルだったり一昔二昔前のメタルサウンドなんかはマッチしていると思います。
デフォルトで幾つかプリセットが存在しますが、とりあえずはDevin Townsendの「DevCrunch」を基本として軽く弄ってみるのが一番簡単かと思います。

アンプシミュとしては珍しく真空管部分の設定が存在していたり、IRをミックスして使用した場合の位相の問題に対応する機能、さらには1つのファイルとして書き出しできる点も良機能です。

パワーアンプのパラメーター

一番分かり辛いであろうパワーアンプ部(真空管)のパラメーター。今回の備忘録はこのためにあるといっても過言ではないのです……

「BIAS」「SPEED」「SAG」に分かれたこのパラメーターですが、英語マニュアルに概要は書かれてはいるものの、多分この辺は実物のアンプに精通している方でないと意味が分からない部分かと思います。
プリセットもここには触れていないものが多く、基本的に実機"らしさ"を生かした使い方をするならばそれほど弄る必要はないと思います。私はそこそこ弄って使っていますが。

「BIAS」はどの程度バイアス電圧を掛けるかというパラメーターだと思われます。このパラメーターを弄る事によって倍音成分の増減やサウンドのパワー感が変化し、後述のSAGにも影響します。当たり前ですが浅くし過ぎて真空管が壊れるという事はないので、良し悪しはともかく極端なセッティングも可能です。
マニュアルには専門的な表記がされていますが、この辺はバイアス調整をググって知識を入れておくと分かりやすくなると思います。

「SPEED」はマニュアルを参照したところSAGに対してのパラメーターでありアタックとリリースに影響するとの事ですが、ハイゲインでは聴いても分かりにくい部分かと思います。変化を感じられないのなら弄らなくても問題ないです。

「SAG」は上げる程クランチ、コンプ感が増していき当然ながら音抜けは悪くなっていきます。逆に下げていくと音の分離はよくなりニュアンスも出し易くなりますが、プレイングの難度は上がると思われます。右側にあるメーターは"サグが大きくなるほど低下"します。一般的にはアンプのサグ感と呼ばれるものだと思います。

OTのメーターは出力トランスにどれだけ負荷が掛かっているかという事らしいんですが……正直私にはよく分かりません。突っ込みすぎると歪んでしまいますよ、という事なんでしょうが、クリーンチャンネルのインプットにかなり突っ込んでやっと緑が点灯するくらいなので、レッドゾーンに到達する状況が想像できません。

使いやすいIRローダー部分
デフォルトで8種類のIRが用意されていますが、基本的に手持ちのIRを使っているので私はあまり使用していません。
機能が分からないという事はまずないと思うので省略しますが、「Process」部分の「Phase Fix」については少々。ファイルによっては逆に位相の問題が発生することがあり、コレが発生した場合、一旦IRをOFFにしたり別ファイルに切り替えたりしないと正常に戻らない不具合が発生します。私の環境がレアケースの可能性もありますが、おかしいと思ったら切り替えて確認した方がいいです。ちなみに単体で位相反転も可能です。

Excursionのパラメーターは低音域に影響するようです。僅かですが変化は感じられると思います。私は基本デフォルトのまま。

お勧めしづらい理由
他人にはオススメしないといったPRS SuperModelsですが理由はいくつかありまして、まずはその1点がそのサウンドです。先に書きましたが、昨今のメタルサウンドにはあまり向いていません。クリーンやクランチサウンドに関しては個人的には良質だと思います。そこはPRSらしいというかなんというか。

収録されているIRも一部以外は良いサウンドとは言い難く、Archonらしさという意味ではありなんでしょうが基本的にヌケは悪いです。まぁメタルをやってる方でデフォのIRしか使わないという方はそうそう居ないとは思われますが。

パワーアンプ部のパラメーターもいろいろと弄るのが好きという方でなければ、端的に分かりづらいor面倒な機能でしかないと思います。

Sonar……というかCakewalkを使っている方はAIRに関する不具合も念頭に入れておいた方がいいです。本来はお手軽に空気感、広がりを出すことができる良機能なのですが、Cakewalkでは正常に機能しません。この現象はBandLabのフォーラムにも投稿されており、開発側も認識してはいるものの修正には難航しているようです。というより本当に直す気があるのか怪しいですが。

更にネックなのがコストパフォーマンスの悪さ。3種類のアンプモデルが使用できますがエフェクト関連の機能はほぼ無く、$129という価格には見合ってはいないと思います。
私は偶々$29という安価で購入する機会がありましたが、正直定価で購入しようとは思いません。Wavesなので頻繁にセールはしているものの、Archon単品でもっと安ければ需要はありそうなものですが。

コストパフォーマンスという点では完全にBias FXに軍配が上がります。


Bias FX2とGranophyre

比較としておまけ。
Bias FX2
Bias Ampがリリースされた当初はアンププラグイン界隈でトップに君臨していたPositive Grid社。後継であるBias FXシリーズよりコスパがいいプラグインは存在するのか怪しいレベルです。価格だけで言えばAmplitubeが対抗できるかな?くらい。FX2になってよりクリアなサウンドになったと思います。

音の立ち上がりがすっごいパッツンパッツンしているので特にモダンなメタルサウンドに向いているプラグインだと思います。弾いてて気持ちはいいんですが弄ってもBiasっぽさはあり、過度なパツパツ感も相まって好みでない方はそこそこ居そうな気はします。GUIが非常に分かりやすいのはお勧めしやすい点かと。
新しいDSPを使用しているとの事でFX1の頃とはサウンドが異なるので、1からプリセットを移行するとアレ?と思うかもしれません。

アーティストプリセットが無料でダウンロードできますが、お勧めは「Paul Masvidal」おじさんのプリセット。すごく使いやすいのでおすすめです。やっぱりマスヴィダルおじなんだよなぁ。

アンプやエフェクトの種類は豊富ですが結局普段使うのは数種類だけという事は多々あるので他にお気に入りのプラグインがあるならわざわざ買わなくてもいいとは思います。
2になってより頻繁にセールをしている印象で、Standard版がクーポン使用で$19なんて価格だったこともあり。

Granophyre
偶々リリースされたタイミングだったのでデモを弄りましたが、やっぱりNeuralDSP、収録しているIRも含めクリアかつハイクオリティです。音の傾向はBias FXと似てはいますが、現アンププラグイン界隈ではNeuralDSPが頭一つ抜けているクオリティだと個人的には思っています。同社製品では1つで汎用的に使えるArchetypeシリーズがかなりオススメできます。

価格が高めなのとArchetype以外は機能が少ない点はネックかと思います。ただ、先にBias FXで書いた通りなんですが、アンプやエフェクトの種類が多くても普段使うのモノはだいたい決まってくるんですよね。それならシンプルかつ特化していた方が私は好きかなぁと。

ちなみに私はGranophyreのサウンド自体はそこまで好みではなかったです。


というわけでザックリ書くつもりが結構長くなってしまいました。こういう事こそ動画でやる方がいいよなぁとは思いますが、書き溜めできる方が性に合っているのかなと。

お勧めしづらいとは言ったものの貶す気は全くなく、弾いていて気持ちいいというのは本心であり私が使う1番の理由です。気に入ってなかったらここまで書こうとは微塵も思いません。
まぁ極一部であろう国内ユーザー、もしくは気になっている方のお役にたてれば幸いかと思います。

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